おしえてください、先生。

「ははっ、マジ?そんな嫌なの?すげぇ新鮮」



雄悟くんは面白そうに笑う。

こっちは全然面白くないのに……っ。

心臓がドクドクと嫌な音を立てる。



「いーぜ。俺がお前の男嫌い、直してやるよ」

「はい……?」



男嫌いを直す……?

何、言ってるの……?



「ゆ、雄悟くん、それって……」



どういう意味……?

そう聞こうと思ったけど、雄悟くんに遮られた。



「“先生”」

「え?」

「これからは俺のこと“雄悟先生”って呼んでもらうからな。わかったか、南」

「え、あ……は、はい……雄悟先生」



机に頬杖をついて、私を手招きする。

なぜか楽しそうに笑っているその顔が、男嫌いの私から見てもかっこいい。イケメンってすごいなぁ。

授業だから、こっちに戻れってことかな……。

そう思って、近づく。

すると、ここに座れ、というように雄悟先生は自分の左隣の空いたスペースをぽんぽんと叩いた。



「え……む、無理、です」

「はぁ?なんでだよ」

「しょ、正面でも怖いんです……っ!隣なんて、ち、近すぎて……む、無理ですっ!」
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