この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「遠くから遊びに来てくれたので一緒にと思ってついて来てもらったんです」


緊張する俺の隣から美代がフォローしてくれる。


「へぇ?美代ちゃんの従兄カッコいいじゃない」


部長の隣にいた副部長が俺をみて微笑んだ。


副部長は薄手のロングスカートに長い黒髪を風になびかせながら


ツバの大きな麦わら帽子を右手で押さえていた。


その姿はまるでどこぞの映画女優のようだと思った。


「マサル?」


部長は腰に手をあて軽く首をかしげた。


「確か以前、美代が福祉センターに連れてきたうさぎの名前もそんなじゃなかったか?」


部長の言葉に俺の心臓はドクンとなる。


「偶然一緒みたいで。びっくりですよね」


美代は俺の隣で笑った。


そんな美代に部長はふんと短く笑うとまた眼鏡を触った。


「凄い偶然だな。そのもう一人のマサルは今日は家で留守番か?」


「あ、はい…」


美代は、あえて否定することはなく小さく笑って流す。


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