この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「なぁに?柄にもなくうさぎのマサルくんに逢いたかったの?」


副部長は部長をからかうように肘でつついた。


「…馬鹿を言うな」


部長はそれを否定しながら、しかし顔は若干赤くなっていた。


そんな二人を見て笑う美代と部員たち。









その時―――


ふいに誰かによって美代の肩が軽く叩かれた。


「ん?」


美代が振り返り、それにつられて俺も振り返る。


すると


そこには例の顎ヒゲ男が立っていた。




「おす」


ヒゲ男は少し気まずそうに小さく笑いながら美代に片手を上げた。


「あ…アキラ先輩…」


美代もぎこちない表情で、だけど一応小さく会釈した。


「あ―…あれからどう?ちょっとは元気になった?」


ヒゲ男はいかにも心配していたという表情で、美代に一歩近寄ろうとした。


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