この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「は…?お前なんでそれ…」


ヒゲ男は動揺を隠せないように目をパチパチさせながら俺を見た。


――ふん


俺はあの夜もこの男に投げ飛ばされてるんだ。


欲とアルコールに任せて、獣のように美代に襲いかかったことだって


忘れる訳がない。


「あの場には俺と美代ちゃんしか…美代ちゃんだって記憶にないはず…」


ヒゲ男はぶつぶつと言っている。


「お前、何者だ…?」







その時、部長の声が砂浜に響いた。


「とりあえず全員集まったみたいだから会費集めるぞ!」


その声に、ヒゲ男は小さく舌打ちをして俺を睨んだ。


俺も負けずに睨み返す。


「マ、マサルさん…いこ?」


険悪な俺とヒゲ男を引き離すように


美代はぎこちなく笑うと俺のシャツの裾を引っ張った。


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