この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「おい、アキラ!どうかしたのか!?」
俺たちが最初にバーベキューをしていた場所の前に差し掛かった時
全速力で走る俺とヒゲ男の姿を見て、部長が叫んだ。
部長の声にヒゲ男だけが足を止める。
「はぁっ、はぁ…いや、なんかこの先で美代ちゃんが助けを求めてるらしくて…っても確信はないんスけどね?」
ははは…、と息を切らしながら苦笑いするヒゲ男に
バーベキューをしていた部員も集まってきた。
「え?美代ちゃん探してんの?」
「美代ちゃんとなっちゃんならだいぶ前に、この先に向かって走って行ったぞ?」
「――え?」
部員の言葉にヒゲ男の顔から笑顔が固まる。
「そうそう。確か走るなっちゃんを美代ちゃんが追いかけてて…」
「あの二人のことだから、また無邪気に追いかけっこでもしてんのかね~っつって皆で笑ってたんだけどね」
あははと思い出し笑いする部員たち。
「この先の浜は遊泳禁止の札が出てるから一応2人には気をつけろっつったんだけど」
「まぁ子供じゃないんだしそこら辺は大丈夫だろ」
部員たちの言葉にヒゲ男の顔が青ざめていく。