この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
このやり取りの間にも、どんどん沖に流される二人。
部員たちは絶望感に襲われながら、息を飲むように祈るしかなかった。
そんな中、俺は必死に考えた。
レスキューを待つしかないが、それじゃ遅すぎる。
くそ
どうすればいい………?
どうすれば………
その時――…
ふいに、ある部員の手に持たれたポップコーンのバケツが俺の目に入った。
俺の頭はフル回転する。
うまくいく保障はないがやるしかない…!
「おい!!それ、くれ!!」
俺はその部員の前に走ると、ポップコーンを引ったくった。
「え??!」
こんな状況でいきなりポップコーンを奪う俺に、周りの部員も唖然とする。
「な……君、こんな時に非常識だぞ!!」
俺がポップコーンを食べたくてそんな事をしたと思ったのか。
部員から非難が飛ぶ。
しかし俺はそれには構わず親指と人差し指を口に入れると
すぅっと大きく息を吸い、口笛を吹いた。