この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
ピュ~ロロロロ―――――…
高く空に抜ける音。
そして
そびえ立つ入道雲の向こうからアイツが飛んできた。
「約束の品だ!!受け取れ!!」
俺はその姿を確認すると、海に向かってポップコーンをバケツごと投げた。
上空から猛スピードで下降してきた海鳥は、海面すれすれでそれをキャッチする。
『こっちも約束は果たしたっスよ』
海鳥はそう言うと、海面に影を落としながらまた上空へと舞い上がった。
海鳥の言葉を聞いて
俺は迷わず海に向かって走り出した。
「あ!!マサルさん駄目!!」
美代の悲鳴が聞こえる。
だけど俺は海に飛び込んだ。
海面は穏やかに見えたのに
ひとたび海に入ると、海底には強い流れがあって足元が一気にすくわれる。
これが……離岸流というやつか!?
俺は必死に抵抗した。
しかし、海の中では人間の抵抗など無に等しい。
「ぐッ…がぼ……ッ」
俺の体は激しい海流に揉まれ、糸屑のように白いあぶくと共に海に沈んだ。