この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐


――――――…










『これ以上浅瀬へは泳げないメリー』


「いや…充分助かった。本当にありがとう」




俺は夏美を抱き抱えたままメリ吉の背中から降りた。


水深は腰辺りまであるが潮は穏やかだ。


俺がメリ吉の頬を撫でると、メリ吉はキュンと鳴いた。


『マサルさん、Good Luckメリ』


「あぁ。メリ吉も元気でな」


『キュ―…ン』


こうして俺はメリ吉に別れを告げた。


しかし、メリ吉との別れの余韻に浸ることはできない。


一刻も早く夏美を連れて行かないと。


「夏美…がんばれよ」


俺は夏美を腕に抱いた状態でパシャパシャと足早に海の中を歩いた。














砂浜では先についたヒゲ男が、部員たちにより介抱されていた。


「う…ぅ…げほっ…がほッ」


だいぶ水を飲んだのか、ヒゲ男は激しく咳き込みながら砂浜の上でぐったりしている。


また砂浜にはこの騒ぎに駆けつけたのか


いつの間にか見知らぬ野次馬もたくさんいた。



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