この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「夏美……!!!」


夏美を抱き抱える俺の元へ、美代が一番に駆け寄ってきた。


「はぁ…はぁ…よし、」


俺は海から上がると乾いた砂浜に夏美を寝かせる。


ぐったりした夏美の肌は冷えて唇が紫色になっていた。


「おい…夏美…聞こえるか?」


俺はしゃがみこむと砂のついた夏美の頬を軽くペチペチと叩く。


「夏美…っ夏美ぃ!!!」


美代も夏美を覗き込み名前を必死に呼んでいる。


しかし夏美は動かなかった。




その時、


「おい…!夏美!はぁッはぁ…夏美起きろ!!」


ヨロヨロのヒゲ男が夏美の元へやってきた。


俺はヒゲ男に場所を譲る。


ヒゲ男は夏美の横にしゃがみこむと、その細い肩を掴み体を揺さぶった。


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