この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「――――え…?!」
微かに聞こえたその声に
ヒゲ男は抱き締めた腕を緩めて夏美の顔を見た。
「な…つみ…?」
そこには
虚ろながらも確かにあいている夏美の瞳。
「な…な…夏美ぃ…!」
夏美は薄く目を開けながら
鼻水が流れたヒゲ男の顔を見ると、力なく小さく笑った。
「…きったない顔ね…」
その言葉に、ヒゲ男の目からはさらに涙が溢れ出した。
「ぉおぉ…おま…誰のせいだと…ッ」
そしてヒゲ男は、号泣したまま夏美をもう一度抱き締めた。
「ぅう夏美…夏美!夏美~~ッ」
そんなふたりを見て、美代も号泣する。
「夏美ぃ~!うわ~ん、良かったよぉ…ほんと良かったよぉ///」
美代は子供みたいにワンワン泣いた。
俺はそんな美代の頭をポンポンとする。
はぁぁ…
本当に良かった…
ホッとして気が抜けたのか、俺は体が一気にダルくなりそのまま砂浜に座り込んだ。