この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
そんな空気を読み、フォローするように美代が声を出す。


「あ、あの…マサルさんそう言えば海鳥さんともお話ししてたよね…!」


俺の後ろから顔だけだして、小さな声を出す美代。


そんな美代に皆の視線が集中する。


「だから…あの…メリ吉さんとも本当にお話ししたのかも!」


遠慮がちにそう言う美代に、大林リポーターは目を大きくした。


「え…またまたぁ…うふふ、ユーモアのある彼女さんですね!」


大林リポーターはひきつった笑顔で後ろの責任者の顔色をうかがい始めた。


「え…と?じゃあつまりあなたは海鳥やイルカと本当にお話し出来ると…?」


「ああ。出来るぞ」


俺はコクンと頷く。


「あ、ははは…えぇ?いやぁ…出来るってあなた…さすがにそれは思い込みなんじゃないんですかぁ?」


大林リポーターはあははと笑いながら大量の汗をぬぐった。



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