この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
思い込み……?


俺は少しムッとする。


まぁ…人間は人間同士としか会話出来ないから


話せないやつからしたら信じられない話かもしれないが。


そもそも俺たち動物は人間の言葉を少しは理解出来たりするし


確かに俺はその中でも特殊だとは思うけど


だからといって人間のものさしで常識を決めて


それ以外を有り得ない事だと決めつけないで欲しい。


「じゃあ…あなた今からそこの魚と会話しろと言えば出来るんですか?」


大林リポーターは生け簀を指さした。


「別に出来ると思うぞ」


「……………」


大林リポーターは困惑した顔で責任者を振り返った。


責任者は嘘つきを見るような目で俺を見る。


「とりあえず、一旦CM入りました!」


アシスタントの細い男が言った。


そして体格の良い責任者の男が俺の前にやってきた。


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