この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
「え?い、今から?てかマサルさん顔色悪いよ?」


「はぁ…だ、大丈夫…」


目の前には心配そうに俺を見つめる美代。



あぁ


ヤバい…


美代の顔が3重に霞んできた。










「美代…ごめん」





俺はそれだけ言うと


最後の力を振り絞り、住宅街の細路地に走り込んだ。


「あ、マサルさん…ッ」


背中に美代の声が小さく聞こえる。







美代…ごめん。



俺…もう駄目なのかも…









そこで俺の意識は途切れた。









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