この声がきみに届く日‐うさぎ男の奇跡‐
俺は綺麗になった部屋に満足しながら汗を拭うと時計を見た。


時計の針は11を指している。


美代はまだ帰ってこない。


おいおい…

いくらなんでも遅すぎるだろ…


少しの不安が心をよぎり、俺は美代を迎えに行くことにした。


ベランダを閉め、家の閉じまりを確認すると玄関を出る。


アパートの前の道をまっすぐに進み、右折した少し先の場所にゴミ捨て場があるのだが…


俺の足は右折してすぐの場所で止まってしまった。


なぜなら、そこにはゴミ袋が落ちて道に散乱していたからだ。


ゴミ袋にはカラスが群がり、辺りには悪臭が放たれていた。


「う…わ…」


最低の光景だ。


俺は思わず鼻をつまんで顔をしかめた。


しかし


群がるカラスの足元に見覚えのある小袋を見つけた瞬間


俺の胸は一気にドクンとなった。


え……!?

あれって……?



俺は慌ててカラスを追いやると、散らかされたゴミ袋に近付いた。


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