先見の巫女
『…〜〜〜!!』
すると青年は誰かの名前を呼んだ。必死に…手を伸ばして…。
その瞬間、青年の後ろには翡翠色の龍が姿を現した。
青年は龍に何度も何かを叫んでいる。見ているこっちの胸が張り裂けそうなほどに…
目をパッと開くと、気付ば涙が流れていた。
そんなあたしの頭を、晴明様は心配そうに撫でる。
「…涙が……あたし…」
分けも分からず涙だけが枯れる事なく溢れた。
ただ…悲しかったのだ…
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