先見の巫女


「魑魅魍魎の影に覆われた京…」


ぽつりと呟くと家臣は顔を真っ青にした。


「…息絶えた人の死骸と…一人立ち尽くす朱髪の青年…」


誰かを背に庇っていた朱髪の青年…。


あれは…なんの光景だったのだろう…。


「…魑魅魍魎…。最近妖や鬼は姿を見せていなかったというのに…」


晴明様は考えるように顎に手を置いた。





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