先見の巫女


『…か…えで……』

『…桜鬼様……』


二人は見つめ合う。桜鬼も楓も涙を流しながら。


ゆっくりと、桜鬼は手を伸ばし…


『…楓っ……』


楓を抱きしめた。強く強く…もう二度と離さぬようにと…


『桜鬼様…ごめんなさい…。あなたをこんなに苦しめた……』


そんな楓の言葉に、桜鬼はただ首を振る。


『…お前が謝る必要は無いのだ…我が間違っていた…』


涙を沢山流しながら、二人は抱きしめ合う。


『桜鬼様…一緒に……』

『これからは永久に共にいよう…』


二人は本当に幸せそうに笑い合い、桜の花びらに包まれて天へと昇っていった。


“翡翠龍の巫女…翡翠龍よ…ありがとう……”


そんな言葉を残して…






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