先見の巫女


代わりに雛菊が地面に横たわっていた。


「雛菊!しっかりしろ!!」


慌てて雛菊を抱き起こす。雛菊はその呼びかけには答えず、ぐったりとしていた。


「…雛菊………」


そこに晴明様が現れた。晴明様は雛菊の頭を優しく撫でる。


「色々と聞きたい事があるのでしょう。私の家でお話ししましょう」


晴明様の言ったとおり、俺には聞きたい事が沢山ある。


「わかりました」


俺は素直に従う事にした。何より、雛菊が何を抱えているのかを知りたいと思った。


雛菊…あいつの力になりたい。もう二度と…一人で背負わせたくない。





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