先見の巫女


「雛菊はこの事を…」

「知っている。それでも雛菊は笑顔を見せる」


晴明様は涙声でそれだけ言って立ち上がる。


「雛菊を、少しの間見ていてくれるかい?」


俺は黙って頷いた。晴明様は雛菊の本当の親じゃない事も話してくれた。


血がつながっていなくても、二人の間に家族の絆がある事もちゃんと分かっている。


だからこそ…
守るべき者に涙を見せてはいけないのだ。







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