LOVE SONG
「仕事の打ち合わせなんですよ」

思わず中里が答えた。

「なーんだ。そっかあ」

「成田くんが、こんなとこで昼間っからデートしてるなんて、ありえないですもんね」

「仕事中にすみませーん」

「…」

成田は無言のまま、女の子達と握手してあげた。
すると、女の子達は大喜びで、

「ありがとうございましたっ」

と、楽しそうに店を出て行った。

その後ろ姿を見送ると、中里は気が抜けたように呟いた。
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