LOVE SONG
「これと同じの」

成田は中里のチョコレートパフェを指差した。

「かしこまりました」

お店の人は軽く会釈すると去って行った。

「…甘い物、食べるの?」

中里は不思議そうな顔で成田を見ながら聞いた。

「悪いか」

成田はわざとちょっとムッとした顔を作って見せた。

「悪くないけど」

「あんたがあんまり美味しそうに食ってっから、食べたくなったんだよ」

「だって、好きなんだもん」

中里の満面の笑みに、成田も思わずつられて頬が緩んでしまった。

「そうか、そうか。溶けないうちに食え食え」

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