BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

喉元に突きつけられた刃先…

 「っ……」

 「すみませんね……」


シュウとアスカの立場が代わった…

刃先が触れ、喉元に赤い先が浮かぶ…


 「死んでもらいます…」

 「……」


為す術がない…

避ける事も…
剣を振るう事も…



その時、俺は、自分の意識ではなく、アスカを斬りつけていた…


シュウは、目にも止まらぬ早さで、アスカの刀を弾くと、右から斜めに、アスカの体を斬りつけていたのだ…


自らの意志ではない…

危険を察知した何かが、とっさに敵と思われる人物を斬りつけたのだった…



 「うっ……シュ…ウ……」


全身から血が溢れ、崩れるように、地面へと倒れるアスカ…


最後にシュウの名を呼び、苦しそうに顔を歪めると、力なく、倒れて行った…



 「!…アス…カ…」


名前を呼ぼうが、その重く閉ざされた瞼は、開かれる事はない…



俺は、アスカを殺したのだ…

まだ幼い彼を…

彼の命を、俺が、奪った…



震えていた…

シュウは、剣を握り締め、震えていた…


人を殺してしまった罪悪感…

彼を助けれなかった…

苦しみから…
憎しみから…
悲しみから…


全てから…
救えなかった…


< 107 / 397 >

この作品をシェア

pagetop