BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

シュウは、マリンを助けようと、剣に手をかけ、引き抜こうとした。

が…


 「……」


ライナスが、シュウの手を抑え、首を横に振ったのだ。


どういう事なのだろう?

助けるな…と…?

手を出すな…と…?


何が何だかわからない。


隣では、ルリが微笑んでるし。

戦っているマリンも、よく見れば、笑ってるし…



どうなってんだ…?

どうなってんだよ?




そんなシュウの疑問を知る事なく、2人は再び拳を振るう。


右から…
左から…
下から…



共に攻撃を仕掛け、どちらもその攻撃を交わす…



まるで息が合っているかのように…




そして、2人の戦いは終わりを迎えた。


共に、右拳を後方に引き、相手の頬に殴りかかる…


物凄い勢いでその拳は振るわれ、標的に当たるはずだった…


しかし…


その拳は、相手の頬スレスレの位置でピタリと止まり、2人は笑い合った。

そして、攻撃を止めた拳からフッと力を抜くと、パチンッと音をたてて手と手を握り合った。


ガシッと握られたその掌。


まだ理解できないシュウは、目を点にして、その様子を見ていたのだった。



 「マリン、強くなったな。」

 「ディックこそ。」


先程まで戦っていたその人物は、マリンの頭をクシャッと撫でる。

その行動に、嬉しそうに笑うと、相手のでこを人差し指でトンッと優しくつついた。


ライナスにつっかかるいつものマリンの行動とは違う。


何だか女の子らしい行動である。


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