BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
一方、南の塔を境に、主と思われる女性がいた屋敷の辺りには、
怪我を負ったマリンを抱えるシュウと、痛みに耐え、荒い呼吸をするマリンの姿があった…
「マリン、大丈夫か?」
「大丈夫……ある……っ…」
マリンは、左の腹部から血を流していた…
心臓を狙って伸びてきた触手を、間一髪で避けたものの、全ては交わしきれず、腹部に傷を負ってしまったのだ。
大量の出血は見られるものの、命に別状はないようだ。
今の所は…
無理矢理立ち上がろうとするマリン。
だが、傷のせいもあり、立ち上がろうと挑戦するが、苦痛に顔を歪め、座り込む…
未だに流れ続く赤い液体…
早く治療をしないと…
後ろからついてきていたライナスに、治療を頼もうと顔を上げた時だった…
「ライナ………!」
2人を取り囲む、ヘイトゥリッド・サロウ…
「いつの間に……」
シュウは剣を引き抜き、マリンを護るように剣を構える…
この数…
そしてこの立場…
マリンは戦えない…
護れるかどうか…
シュウにとって、完全に不利な状態…
どうする…?
「っ……ハァ…ハァ…」
背後から聞こえる苦しそうな声…
マリンも自分達の置かれている状況を理解したらしく、ボロボロのその体で、戦おうと立ち上がろうとしていた…
マリン…
どうするも、こうするも…
やるしかねぇだろ…
「あぁぁぁあぁぁ!!」
シュウは剣をしっかりと握り、ヘイトゥリッド・サロウへと斬りかかる…
【ググァァァアァァー!】
目の前にいた、一体のサロウ(=ヘイトゥリッド・サロウ)は、難なく倒す事ができた。
そして、右に振り落とし、横に振るう…
攻撃を巧みに交わしながら、サロウの不意をつく…
サロウを、次々に倒し続けるのだが…
【ヴゥゥァァアァー!】
前方の3体のサロウに斬りかかった時、シュウの隙をついたように、背後から触手が襲う…
剣を前方の3体に斬りつけているため、背後には手が及ばない…
間に合わない…