BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
灰色の雲へとそびえ建つ北の塔…
その塔の頂上。
手が雲に届きそうなその場所に腰掛ける、マーガレッドの姿があった。
彼女は、投げ出した足をブラブラと揺らし、下で戦うシュウ達の様子を楽しそうに見ていた…
そして、その後ろには、見覚えのある、ある人物の姿が…
黒髪に、銀色のメッシュの入った、少し焼けた肌…
「ハハハッ……ねぇ、あの女殺しちゃっていいの?ディック?」
嫌みに笑い、その人物の顔を伺うマーガレッド…
彼の反応を楽しむかのように…
ディックと呼ばれたその少年…
彼はまさしく、マリンといた、仲間だと言った…ディック…
何故ディックがここにいるのか…
マーガレッドと共に何をしているのか…
「?聞いてんの?“裏切り者”のディック君?」
「!…」
“裏切り者…”
その言葉が胸に響いた…
その痛みがズシッと重みを増して、彼の胸に押しかかる…
“裏切り者”
ディックは、ある願いを叶える為、仲間を裏切った。
仲間を…
DRAGONを…
闇へと売った…
自らが“裏切り者”と呼ばれる事を覚悟して…
「なぁ…」
聞いてるのか?と、眉を潜めるマーガレッドだったが…
「お前達が……お前達が欲しいのはDRAGONなんだろ…?」
顔を伏せるディックが口を開いた為、マーガレッドの言葉は遮られたのだ。
強く握った拳が、ワナワナと微かに震える…
「そうだよ。」
「だったら、マリンを…あいつらを殺す事……」
「確かに、僕達闇の者が欲しいのは、DRAGON。でも……」
立ち上がると、腕を後ろに組み、ディックにゆっくりと歩み寄る…
「でもね……」
そして、彼の真正面に立つと、爪先で立ち、顔を近づける…
「あいつ等をどうしようが、僕の勝手。だから、僕は……全員、殺す。」
冷たく言い放つその言葉…
全員殺す…
今真下で戦っている4人の命を、全て奪うという…
闇の者である彼女なら、やりかねない…