BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
「クッソッ……」
見開いた目を、強く瞑った時だった…
【グッ!グワァァァアァァー!】
苦痛に叫ぶサロウの声…
一体何が…
瞑った目を、ゆっくり開くと…
「!?」
目の前には、真っ二つに別れ、消えていくサロウの姿が…
サロウの消えた後、現れたのは、剣を振り下ろし、長い髪を風になびかせた、少女の姿…
ルリである。
「サンキュッ!」
彼女は、ライナスに手を伸ばし、彼が立ち上がるのを手助けすると、再びサロウに向き直る…
背中をくっつけ、2人を取り囲むサロウを睨む2人…
サロウも、奇妙な瞳で2人を睨んでいた…
荒れる空の下、唸る風が、2人の髪をユラユラと揺らした…
互いに威嚇しあうが、攻撃を仕掛ける素振りを見せない両者…
鋭い瞳のみを左右に動かす…
「にしても……塔をどうにかしなきゃなんねぇし、雑魚共はうざったいしよ……どうするかねぇ…」
直ぐにでも魔法を発動できるように準備しながら、ボソッと話すライナス。
敵にバレないよう、微かに口を動かす…
「ライナス…」
「ん?」
何かを思いついたように彼を呼ぶルリ。
その声に、ライナスはチラッとルリの顔を見る。
その行動も一瞬の事。
サロウに隙を見せない…
「あの塔、魔法でどうにかできる?」
「魔法で?…うーん……まぁ、何とかできる事はできるが……かなりの時間が必要だな…」
「時間か……」
「まぁ、他にも必要なもんはあるけどな…」
「…わかった。ここは私に任せて。」
「は?」
「私がサロウをなんとかする。だから、ライナスは塔を…」
「何言ってんだよ……確かに、そっち方が効率はいい…だが……」
「シュウも…マリンも…2人の事が、心配なの…」
「っ……」
2人を心配するルリの瞳は、少し潤んでいるようで…
ライナスはそんなルリの顔から目を反らすのだった…
「だから……」
「わぁったよっ……じゃぁ、雑魚共を任せるぜ、ルリ。」