BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

 「ライナスには、指一本触れさせない。」


一瞬笑みを零し、再び真剣な表情に戻るルリ。

そんな彼女の表情の変化に、微笑むライナス。


そして2人は走り出す…

ルリはサロウの群れの中へと…

ライナスは倒れた西の塔の元へと…


それぞれの目的の場所へ…



塔の真ん前へと到着したライナス。

彼は一度塔へと触れると、背後で戦うルリの姿へと目をやった…

何体ものサロウに取り囲まれながらも、懸命に剣を振るうルリ


『ライナスには、指一本触れさせない』

お前がそう言うと、心強いな…

何たって、かなりの腕の持ち主…


雑魚共は、俺に近づく事もできねぇだろうな…

ルリにかかっちゃ、消えんのも時間の問題…


さぁ
俺もやるか…


両手を挙げ、意識を集中させる…


 「『大地を揺るがす地の嘆き…地を見下ろす天の怒り…我が全て受け止めん…』」

空気が緊迫し、魔法を発動させようとした時…





      ガコンッ!

 「ってぇ……!何だよル……」

後頭部に受けた何かがぶつかったような感覚…

飛んできた何かを掴むと、それを投げてきただろうルリを振り返るが…


掴んだ物を見て、言葉を止めた…


「……」

無言でその物質を見つめる…


細長い物が5本…

濃い茶色に、赤い物質がついていて…


どこかでよく見るこの物質は…


 「ヒィーー!」


腕ーー!!?

な、な、な、何、でぇ…


ライナスが掴んだ物
それは、サロウの腕の一部であった

できるだけ腕を遠ざけ、嫌そうに顔を歪めるライナス。


その腕は、その物自身に意志があるように動いていた…


 「って、キモいわぁぁー!」


     カキーン!


その腕をどこか遠くへ蹴り飛ばすのだった…


高く飛んでいく腕を確かめ、再びルリへと目を向ける…


腕なんか飛ばしてきやがって…

お前、バラバラ死体でも作る気か?



そんな中、上空を覆う厚い雲が、何かを感じ取ったかのように、その濃さを増していた…


これから起こる事を予測しているように…

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