BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

     キィィーン!

静かなこの地に、鋼のぶつかる音が響く


 「あぁぁー!」

      グサッ…!

 【グゥゥアァァー!】

黒い剣が弧を描き、襲いかかってくるサロウを仕留めていく…

背後からの攻撃には、身を翻し、素早く斬りつける…


華麗な剣裁きでサロウと戦うのは、紺色の瞳で鋭く睨む、シュウである。


彼は、近くで戦う、傷を負ったマリンと協力しながら戦っていた…


チラッとマリンを見るが、足がおぼつかず、サロウの攻撃も、完全には避けきれていない…


ふらつくマリンの心臓目掛けて伸びるサロウの腕…

 「…!」

マリンは、その真正面の攻撃すら、避ける事もできない…

何とか拳を振るうが、サロウの横を通過し、空を切る…

 「クッ…」


サロウの腕は、何の障害物もなく、一直線に彼女の心臓を狙う…


なすすべをなくしたマリンは、絶望に目を閉じ、後退る…

この攻撃は、避けれない…



 「!」

マリンの危機を目にしたシュウは、近寄ってきたサロウを斬ると、タンっと一歩大きく踏み出し、マリンの心臓へと伸びていた腕を斬り落とす…


 【アァァアァー!】

腕を斬られ、後ろに仰け反るサロウ。

そのサロウを、戸惑う事なく斬りつけた。

一瞬にして、サロウは消えたのだった…



マリンは、スッと風が髪を揺らしたのを感じて、目を開けると、目の前には、サロウを斬りつけたシュウの姿があった…

シュウが助けてくれたのだ…

そう認識し、礼を言おうと口を開く

が…

 「ありが……ッ!!」

 「!?」

突然、マリンの上半身が揺れた。

何が起こったのか…
振り返った時だった…


 「キャッ!」


マリンの右足に触手が絡まり、その触手が彼女の体を引き寄せたのだ…

あまりにも強いサロウの力…

マリンは、その力に逆らう事ができず、されるがままに、引きずられていく…


 「!マリン!」

そんなマリンへと手を伸ばすが…



その手は届く事なく、マリンは遠くへと飛ばされてしまった…


彼の目の前に残ったのは、彼女の残した、赤い血だった…

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