BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

 『ディック…』

 「!マリ…ン……」


背伸びをすれば、灰色の雲に手が届きそうな、そんな高さの塔の上…

そこには、現実から目を反らすように、顔を伏せ、目を瞑るディックの姿が…


そんな彼の元へと、風に乗ってやってきた、彼の名を呼ぶ声…

その声に、パッと目を開くが、直ぐに目を伏せる…

彼を呼ぶ声を、無視するように…



ごめん…


俺…
こいつに…
マーガレッドに従うしか…

そうするしか…
ないんだ…


だから…
ごめん…


ごめん…
マリン…




彼は、自らの願いを叶える為、
仲間を…
愛しい人を…

見捨てた…

目の前で、
苦しむ、彼らを…


ディックは、見捨てた…




グッと拳を握り、塔の端に腰かけるマーガレッドへと目を向けた…



彼の気持ちなど知ることのないマーガレッド…


 「フンフン♪」

彼女は、鼻歌を歌い、宙ぶらりんの足をバタバタさせながら、何かをやっていた…

手元で細々と作業するマーガレッド…

真っ赤な折り紙で、何かを織っている…


半分に織って、それを広げて、両端を三角に織って…


 「フフッ……」

それが完成すると、口の端をつり上げて笑う…



右手の人差し指と親指で持った折り紙で作られた物…
それは、真っ赤に染まる、紙飛行機…

できばいを確認すると、鋭く瞳を細め、紙飛行機を獲物へと向ける…


 「フフッ…誰から殺ろうか……」

倒れた南の塔を境に、右へ…

そこには、手を天と地へと向けたライナスと、彼の背後でサロウの行く手を遮るルリの姿があった…


彼らは、無事そこから抜け出し、シュウとマリンの元へとたどり着けるのか…?



そして、左へと移動する…


立ちはだかるサロウを、素早い身のこなしで斬りつけては、前へと突き進む…

肩で息をし、今にも倒れそうなマリンの元へ…


< 154 / 397 >

この作品をシェア

pagetop