BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
『ディック…』
「!マリ…ン……」
背伸びをすれば、灰色の雲に手が届きそうな、そんな高さの塔の上…
そこには、現実から目を反らすように、顔を伏せ、目を瞑るディックの姿が…
そんな彼の元へと、風に乗ってやってきた、彼の名を呼ぶ声…
その声に、パッと目を開くが、直ぐに目を伏せる…
彼を呼ぶ声を、無視するように…
ごめん…
俺…
こいつに…
マーガレッドに従うしか…
そうするしか…
ないんだ…
だから…
ごめん…
ごめん…
マリン…
彼は、自らの願いを叶える為、
仲間を…
愛しい人を…
見捨てた…
目の前で、
苦しむ、彼らを…
ディックは、見捨てた…
グッと拳を握り、塔の端に腰かけるマーガレッドへと目を向けた…
彼の気持ちなど知ることのないマーガレッド…
「フンフン♪」
彼女は、鼻歌を歌い、宙ぶらりんの足をバタバタさせながら、何かをやっていた…
手元で細々と作業するマーガレッド…
真っ赤な折り紙で、何かを織っている…
半分に織って、それを広げて、両端を三角に織って…
「フフッ……」
それが完成すると、口の端をつり上げて笑う…
右手の人差し指と親指で持った折り紙で作られた物…
それは、真っ赤に染まる、紙飛行機…
できばいを確認すると、鋭く瞳を細め、紙飛行機を獲物へと向ける…
「フフッ…誰から殺ろうか……」
倒れた南の塔を境に、右へ…
そこには、手を天と地へと向けたライナスと、彼の背後でサロウの行く手を遮るルリの姿があった…
彼らは、無事そこから抜け出し、シュウとマリンの元へとたどり着けるのか…?
そして、左へと移動する…
立ちはだかるサロウを、素早い身のこなしで斬りつけては、前へと突き進む…
肩で息をし、今にも倒れそうなマリンの元へ…