BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

何が起こったのかわからなかった…

全てがスローに見えて…
現実ではないように見えて…


何が本当で、
何が嘘なのか、
混乱する頭では判断できなかった…


ただわかったのは…

頬についた鮮血と…
胸に槍が刺さった人物…


その目の前の人物が、自分の身代わりになったという事…


槍の先から滴る赤い雫…
全てが真っ赤に染まり、それが血なのか、それともただの色なのか…
区別する事はできない…



どれだけ時間がたったのだろう…
どれだけこうしていたのだろう…


目の前の人物の胸に刺さった槍が、真っ赤な紙飛行機へと変化し、ヒラヒラと地面に降り立った…


それと同時に、その人物の体が揺れ、地面へと崩れる…


良く知るその背中…
黒髪に、銀色のメッシュ…


 「ぇっ……?……ディッ…ク……?」


チラッと見えたその顔に、マリンはその名を呼ぶ…

そして、ゆっくりと、ゆっくりと地面を這って近づくのだった…




一部始終を見ていたシュウは、槍が飛んできたと思われる北の塔へと目を向けた…

その頂上には、余裕そうに腰をかけ、足をバタバタしているマーガレッドの姿が…


その人物を目にすると、ワナワナと力が溢れ出る…

抑えられないその力…


その力は体の外へと放出され、周りにいたサロウを包み込むと、霧のように、全て消し去った…



 「《我、汝の主となる者なり……今、汝の力を我が力にせん事を命ず……》」


そんな言葉など知らないのに、勝手に口が動き、言葉を発する…


その言葉を発すと、彼の背後に漆黒のDRAGONが出現した…

DRAGONは、彼の見方をするように、マーガレッドを睨みつける…


 「《憎しみに生き、闇に落ちる暗き魂…我が裁かん……炎のDRAGONよ…全てを焼き付くし給え!》」


呪文全てを唱え終えると、剣を握り直し、キッと鋭い瞳で睨む…

大きく一歩踏み出すと、力一杯剣を振り下ろす…



それと同時に、赤く燃える炎のDRAGONが出現し、大きく口を開け、マーガレッドへと食らいついていく…


< 157 / 397 >

この作品をシェア

pagetop