BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
ガタガタと揺れる扉…
時折光る黄色い稲妻…
降りしきる雨が、強風に乗って窓ガラスに叩きつける…
それらの音のみが響く、灯りもともさないこの部屋…
その中には、無言で顔を伏せる、4人の姿があった…
ソファーに腰をかけ、自分の体を抱くように腕を組むマリン。
彼女は、魂が抜かれたかのように、足の爪先をジッと見つめていた…
まるで、昔からそこにあった、銅像のように…
その側では、同じくソファーに腰をかけ、両手を脇に添えて顔を伏せるルリ。
ルリの正面には、壁に背を預け、腕を組むシュウ。
そしてアグラをかき、頬杖をつくライナスは、マリンの正面に座っていた。
3人共に、マリンの姿は視界に入る位置にいるが、彼女のから目を反らすように、目を背けていた…
ピカッと光る稲妻…
一瞬、この部屋を照らしたかと思えば消え、すぐさま巨大な音が鳴り響いた…
1つの稲妻が、近くに落ちたようだ。
その音と共に、バッと立ち上がった1人の人物…
残りの3人は、その人物を驚いた表情で見つめた…
立ち上がったのは…
背の高い、長い黒髪を三つ編みにした少女……マリン…
彼女の突然の行動に、息を呑む…
赤く腫れた瞼…
涙の跡の残る頬…
彼女の顔をまともに見れず、思わず目を反らしてしまう…
「…マリン、疲れたある……少し、休んでくるあるね……」
彼女はそう言うと、扉へと歩いていく…
闇で見えずらい扉へと向かう彼女の姿が、闇へと溶け、どこかに行ってしまいそうで…
「マリン!」
思わず彼女の名を呼ぶシュウ。
その声に、振り返り、首を傾げるマリンだが、やはり彼女の潤んだ瞳を目にすると、目を背けてしまい、何も言えなかった…
そんなシュウを見て、笑ってみせる。
ぎこちない、無理に作ったようなその笑顔で…
「マリンは、大丈夫あるよ。もう、大丈夫ある。だから、心配しなくていいある。安心するあるよ。」
そう言い残すと、3人の顔を見る事なく、部屋から姿を消すのだった…