BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

何が起こったと言うのか…


それは、ある声によって証明された…



 「俺の氷には、炎は効かないよ」


炎に覆われ、燃えつくしたはず…

しかし、目の前にいるその相手は、どこにも傷はなく、着ているローブさえも、焼け焦げていない…



相手は、巨大化した氷の結晶を手にしていた…


まるでそれは、氷の剣(ツルギ)のように伸び…

ライナスの作った炎を裂くと…


その刃は、ライナス、彼の腹部を突いていた…




 「クッ……」


ライナスの腹部へと突き刺さった氷の剣は、音をたてて崩れさり、再び小さな六角形の結晶へと姿を変える…



膝をつき、地面にペタンと座り込むライナス…


腹部を中心に、赤く染まる服…

息を荒げ、傷口を押さえる…



そんな彼へと近づく相手…

一歩一歩、ゆっくりと距離を縮めていた…



 「魔法は効かない……なら、次はどうする?」

 「クッ…ハァ……ハァ……」


勝ち誇ったように言葉を発する相手…

その言葉は全て当たっているように思え…



悔しそうに、渇いた地の砂を掴み、グッと握った…



ライナスに手が届く程に近づいた相手…

スッと手を伸ばすと、周りの氷達が1つに集まり、氷の剣を作り出す…


それを掴むと、天に高々と振り上げる…


その剣は、勢い良く振り下ろされると思っていた…


が…



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