BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
氷の剣を高く上げ、今にも振り下ろされそうとした瞬間…
「…!?」
何かに気づいたように、高く後ろに跳び、後退する相手…
それと同時に現れた紅い何か…
ゴォォォオォォ!!
高く跳んだ瞬間、先程までいた地面から紅き炎が吹き上げたのだ…
渦を巻き、天まで登って行く炎…
先程消えた筈の炎が突然現れ、相手を襲った…
一体何が…
炎から離れた位置に着地し、渦を巻く炎から吹き上げる熱い熱風を、深く被るフードを押さえながら受ける…
地面から吹き上げた紅き炎の渦は、下からだんだん薄れていき、炎の龍が、天へ登ったようだった…
その炎が消え、炎の後ろに現れた人物の影…
手をパンパンと叩き、砂を叩く…
前を、相手を睨むその表情は笑っていた…
「へぇ……驚いたな…消えた魔法を、魔力でもって復活させるなんて……不思議な奴だ…」
「不思議?これが俺の戦い方だ。」
「でも、そんた手荒な戦い方じゃ、保たないよ?」
「それはどうかな?やってみなけりゃわかんねぇだろ!反撃といかせてもらうぜ!」
バッと地を蹴るライナス…
それを見つめる相手…
氷の冷たい空気…
炎の熱い風…
2つが混じりあい、熱くもなく、冷たくもない風が、辺りに吹き荒れた…