BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

潤いのない、枯れた、渇いたこの地が、濁りのない、純粋な水で満たされる…

洪水のごとく、どこからか現れた大量の水が、シュウとその相手の周りのこの地を潤す…


そして、その水の中から現れた青いDRAGON…

その体は、全てが水でできているかのように、辺りの景色が透けて見える…



そのDRAGONを、短剣を振るって操る相手…


右手で握り、斜めに降り下ろし、クルッと回して持ち変えると、横に振るって空を裂く…

その動きに合わせてシュウへと向かってくる青いDRAGON…


それを、走って逃げ回るように避けていた…




クッ…

DRAGONの主がどうして攻撃など…

それも、お構いなしに迫ってくる…



バシャバシャと走る度に水が跳ねる…

水に足を取られまいと気をつけながら、考えていた…



シュウへと迫ってくる青いDRAGONは、攻撃を交わされると、水の中に姿を消す…


そして消えたかと思えばどこからか再び現れる…



為す術がない…

…ん?


青いDRAGONから逃げている時、ふと、ある事に気づいたシュウ…



さっきから、相手はあの場から一歩も動いていない…


ただ短剣を振るい、青いDRAGONに指示を送っているだけ…


もしかして、動けないのか…?


ならば…




ある事を思いついたシュウは、進行方向を変え、青いDRAGONの攻撃を交わすと相手の横へと走っていく…


そして、相手に並んだかと思うと、いきなり方向転換…

相手に向き直ると、剣を構え、一気にジャンプ…


 「やぁぁあぁー!!」


剣を右下に構え、相手に近づいた所で振り上げるが…


 《ググァァァアァァー!!》

 「!?」


突然、目の前に現れた青いDRAGON…

相手を守るようにシュウへと歯を向ける…



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