BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
解放された青いDRAGONは、目の前のルリへと食らいつく…
大きく口を開け…
唸りながら…
「っ…!」
迫ってくる青いDRAGON…
すぐには立ち上がる事ができず、腕で顔を覆い、顔を背ける…
だが、攻撃がこない…
どうしたのだろうか…
《グァァァアァァー!》
「!?」
攻撃の変わりに、すぐ近くからDRAGONの鳴き声が…
何事かと顔を上げると…
「…!」
そこには…
グッと地に足をつけ、藍色の髪を靡かせる少年が…
「!シュウ!」
青いDRAGONど同等に戦うシュウの姿があった…
黒い、漆黒のDRAGONの剣で青いDRAGONの攻撃を受け止めると、押されるのではなく、後方へと押し返す…
青いDRAGONではなく、シュウの力の方が、上だ…
呆気にとられ、座り込んだままシュウを見つめていると…
「あぁぁあぁー!!」
トンッと青いDRAGONを押し、剣を離すと、何の躊躇もなく青いDRAGONを斬りつけた…
バーンと爆発するような音が相応しいように、青いDRAGONは、シュウに斬りつけられると、粒子状になり、辺りに散った…
その粒は、パラパラと辺りに降り注ぎ、まるで、雨が降っているかのようだった…
そんな中、剣を片手で持ち、刃先を相手に向けるシュウの瞳は、仲間を護りたいという強い意志と、
仲間を傷つけた相手に対する怒りが含まれていた…
睨み合う2人…
一つの風が、シュウの紺色の髪を揺らし、相手の水色のローブを揺らした…
パンパンパンパン…
「「?」」
そんな2人を止めるかのごとく、全ての水の粒が地面へと降り立った時、遠くで手を叩く音が…
その音へと顔を向ける、シュウと相手を除く皆…
手を叩いたのは、大きな岩の上に腰を下ろす、水色の鋭い瞳をした、女の子のような顔立ちの少年だった。