BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
その少年を見るなり、ライナスと戦っていた相手は攻撃を止め、ルリとマリンが戦っていた相手共に、フードをめくった。
だが、シュウの相手だけは違い、再び短剣を振るい、青いDRAGONを出現させる…
シュウへと迫ってくる青いDRAGON…
彼は、次も受け止めるつもりだった…
が…
「!?」
突然、シュウの前に何者かが現れたのだ…
そして、迫り来る青いDRAGONを、伸ばした右手のみで受け止め…
「止めろと、言っているんです」
鋭い水色の瞳で相手を睨む…
少年にして、威圧感のある瞳…
敬語ではあるが、どこか恐れを感じる…
その瞳に押されたのか、相手は短剣を腰に刺すと、フードをめくる…
黒髪の、右目の下に傷のある、少年と同じく濃い青色のピアスをした男性だった。
彼は、機嫌を損ねたように、そっぽを向く…
大人気ない…
それを気にする様子のない少年は、シュウへと向き直ると、頭を下げ、周りの仲間へと目をやった…
助けにやってきたルリとマリンにはにこやかに
だが、遠くにいるライナスには、どこか冷たく…
「仲間を護ろうと戦うその勇気、素晴らしい力です。その勇気、忘れないで下さい」
それだけ言うと、再び向きを変え、黒髪の男へと向かって歩いて行く…
「最低ですよ」
「……」
先程とは違い、どこか棘のある口調で攻めよる少年。
男は無言である。
「あんな戦いでは、DRAGONが可哀想です」
「でもよ……」
「でもではありません!」
そんな2人を見る、青いローブを身に纏う3人。
彼らは遠くでその様子を見物していた。
「アハッ★ラルちゃんカイリ君にしかられてるねっ」
黄色の髪をした、二重瞼のはっきりな綺麗形な女性が笑いながら言う。
「一回で聞けばいいのになぁ」
銀色形の髪で、目の細い、開いているのか閉じているのかわからない男性が続く。
「フンッ。あんなバカの中のバカは、どこ探してもいねぇよ」
左目に大きな傷があり、目を閉じている男性は、鎌を振り回しながら男をバカにしたのだった。