BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
ハァ…と溜息を漏らす男性。
彼の周りには、ドンヨリとした空気が漂っていた…
「まぁまぁ……」
そんな彼の肩をポンポンと叩くマリン。
敵か味方かもわからない相手に優しくするなんて、凄いな…マリン…
小さな少女に慰められた男性は、
「ぅっ…ありがと……ありがとなぁ……」
腕で涙を拭うのだった…
「っておい!こんな事する為に戦ったんじゃねぇぞ!」
何かを思い出したように、そう叫ぶ男性。
突然の事に、近くにいたマリンは、とっさに男性との距離をとる。
「…って、何の為に戦ったんだ……?」
答えを求めるように、辺りを見回すが、近くにいるのはシュウ達4人。
何の事だかわかる筈もなく…
「…あぁ!…カイリに訊くの忘れてた……あぁ…俺は何て事を…どうしよう…どうしよう…どうしたらいいんだ、俺は…」
男性は、1人で何か理解したらしく、地面に手と膝をつき、再びドンヨリとした空気を漂わせた…
それを見る4人は、呆気にとられ、その訳の分からない行動をとる男性を見つめていた。
「あっ!そういや、話があるとか言ってたな!」
「え…?あ、あぁ…」
突然顔を上げ、シュウの顔を見て叫んだ男性。
その声に、少し引きながらも答えるシュウ。
そんなシュウの様子も気にする事もなく、男性はシュウに近づき、答えを求めるように瞳を輝かせる。
そんな瞳に見つめられ、気まずそうにしながらも、いつもの柔らかい表情で口を開くシュウ。
「DRAGONの………」
だが、
「…あぁ……雨降りそうだな……ついてこい。」
シュウの言葉を聞く様子もなく、言葉を遮るて、スタスタと大きな岩の方へと向かって行く…
答えを求められ、話をしようとすれば、言葉を遮られ…
自己中な男性の行動に、ちょっとムッとしながらも、男性の後ろ姿を見つめるのだった。