BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
真っ白な、高くそびえ建つ四角い家々。
全ての家の周りには溝があり、その溝の中では、透明とも言える、純粋な水が流れていた。
話を聞くと、この町の家は、石灰岩でできているらしく、頑丈で、雨にも強いらしい。
左右に建ち並ぶ家々の間を歩く5人。
男性の横には、シュウが並び、その近くにルリとマリン。
ライナスは4人と離れ、何かを考えているのか、下を向き、ゆっくりと後を追っていた。
「で、話ってのは?」
「あぁ…DRAGONの事なんだ。」
男性と話をするシュウ。
初めは、苦手なタイプだと思っていたが、思ったよりも話しやすい人だった。
「DRAGON?もしかして、長からの伝言か?」
「そうだけど。」
「そぉか…なら大丈夫だな。」
「?」
右手を顎に添え、納得したように頷く男性。
その様子を見ても、何の事か理解できないシュウは、頭の上に?を浮かべた。
「長の伝言なら、カイリが聞いてるだろぅ。さっきお前達と戦ったのも、長からの命らしいし。」
「カイリって?」
率直な質問に、男性は親切に説明する。
「青い髪した、水色瞳の可愛らしい顔した少年だよ。」
「あぁ…あの女の子っぽい…」
巨大な岩の上にいた、同年代と思われるあの少年の事のようだ。
あの少年は何者なんだろう?
何かを探るようなあの水色の鋭い瞳…
DRAGONを難なく片手で止め、主と思われる男性を止めた。
彼は一体…
「ハハッ…お前もそう思ったか。俺も始めはそう思ったよ。だが、中身はかなり黒いぞ。」
男性は、シュウの言葉に笑って見せ、それから人差し指を立てて言った。
「それで、カイリさんは、長とはどういった関係なんです?」
「何か昔からの仲とか……よくはわからないが、長からの情報を、彼奴が知らない事はない。」
「そうですか。」
疑問が解け、道の先へと目をやる。
そこには、楽しそうな声を上げ、水で遊ぶ子供達の姿があった。
水の都だからこそできる事。
水に豊かでない町では、彼らのように、水を使って遊ぶ事などできない…