BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
「彼奴を信じるんだな?」
「信じるよ。だって彼は、俺の、大切な仲間だから。」
「そぅか…なら俺は否定しない。だが…」
ニッコリと笑っていた柔らかい瞳が、一気に鋭く、棘を持つようにシュウを睨んだ。
様々に変わる表情…
その表情から、彼の心情が伺える。
自分にとって、あまりよくない事だと察知すると、真剣にラルフを見つめた。
「条件がある。」
「条、件…?」
ごくっと唾を呑み、次の言葉を待つ…
暑くもないのに、汗が伝う…
「彼奴を信じ、待つのは明日の朝までだ。それまでに戻って来なければ、彼奴は俺達が連れて帰る。」
「明日の朝までって…」
「短すぎるあるよ…」
確かに、今は夕刻…
陽は沈みかけ、空は赤々と染まっていた…
時間がなさすぎる…
だが…
「わかりました。」
「シュウ?」
シュウの言葉に、心配そうな顔をするルリ。
そんなルリに、シュウは安心させるように微笑んだ。
張り詰まった空気を和ますような、優しい笑顔。
「大丈夫だよ。ライナスは必ず戻ってくる。信じてるから。あいつを信じてるから……」
風を導く1つの窓へと目をやり、ライナスに呼びかけるようにそう言った。
信じる…
その言葉が、ルリの心に深く響いた…
彼女がグッと拳を握ったのを、誰もその時は気づいていない…
「信じるかぁ……シュウ、俺はお前を信じる。期待してるぞ。」
ポンッと紺色の髪を撫で、ラルフは立ち上がると、窓辺へと向かい、片手を挙げ、外へと飛び降りたのだった。