BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
彼が消えると、マリンは素早く立ち上がり、外を見下ろす。
ラルフが見事に着地したのを確認すると、彼女は「おぉー」と歓声を上げ、手を振ったのだった
「マリン。」
「?」
腕を組み、右手を顎に添え、何かを考えている様子のシュウは、窓辺に立つマリンを呼ぶ。
名を呼ばれ、首を傾げながら振り返るマリンは、そんなシュウへと目を向けた。
紺色の、少し細めた瞳と目が合う。
彼の瞳には、いつ見ても見とれてしまう。
ライナスの、あの笑顔と同じように…
「ライナスの事、教えてほしいんだけど…」
「…ライナスの…?」
シュウの言葉に、マリンは言葉を詰まらせる。
「あぁ。駄目…か…?」
「そんな事ないある。マリンでいいなら、何でも話すあるよ。」
少し考えると、笑顔で頷き、シュウとルリの横に腰掛けた。
1つの風が、花と緑の香りを乗せ、部屋へと訪れた。
春を思わすその香りは、3人の心を和ませた。
ライナスの過去が、今、明らかになる…