BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
心地良い風を吸い、1つ深呼吸すると、マリンは話出す。
「ライナスが今、頭を悩ませているのは、ある約束があるからある。」
「約束?」
無言で頷くと、再び話を続ける。
彼女の話を聞きに来たのだろうか?
窓辺には、2羽の小鳥が羽を休めていた。
「ライナスは、東の城のお姫様の側近だったある。そのお姫様は、盲目で、足も不自由。毎日車椅子を使って生活しているある。
そんな彼女はいつも笑顔で、城の皆を和ませたある。
でもその笑顔は、いつしか悲しい、心からの笑顔でない、そんな笑顔に変わったある…
残酷な大人達のせいで…
彼女は、何をするでも人の力が必要ある。だから、それを利用し、悪巧みをする者達が、彼女の周りに近づいたある。
力を利用し、城下町の実権を掴む為…」
少し悲しそうな目をし、尚も話すマリン。
話を聞く2人も、つられて悲しそうな目をする。
「城で育った、真っ白な心の彼女には、そんな大人の心の奥の事なんて、わからないある…
信じて、裏切られても信じて、心がズタズタになるまで信じ続けたある。」
大人の心に振り回され、信じ続けるお姫様…
純粋な彼女の心をズタズタになるまで傷つけたなんて…
酷すぎる…
「そんな時、旅をしていたライナスに合ったある。苦しい思いを外には出さず、内で泣いていた彼女の心を知ったライナスは、自ら彼女の側近になったある。
彼女を、苦しみから救う為…」
彼女は、皆に心配をかけないよう、外には出さなかったんだ…
傷ついた心、悲しみ、苦しみ…
全てを内に溜め、自らで耐えてきた…
辛かっただろう…
「ライナスと共に過ごすようになったお姫様は、今までの、華やかな笑顔を取り戻し、心の傷も消えたある。」
ライナスと出会い、彼女は苦しみから抜け出す事ができた。
彼はお姫様にとって、心を許せる唯一の存在だったのだろう。