BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

灰色の雲の下、シュウは剣を構え、マーガレッドを威嚇していた。

だが、マーガレッドは遊んでいるかのように腕を腰に組み、ちょこちょこ歩いていた…


 「へぇ…あれが、ローランのお気に入りか…」


突然ニヤッと笑い、シュウの後ろを見つめるマーガレッド。


 「お気に入り…?」

マーガレッドの言葉に、疑問を持ちながら、彼女の視線を追い、後ろを振り返った。


そんな彼の紺色の瞳に映ったのは、ドーム型の部屋の中、座り込むルリと、その目の前に立つ、小さな女の子の姿…

 「ルリ…」

震えているように見える彼女…

何が起きているのか、眉を潜めていると…


 「何よそ見してんだよ?」

 「!?うっ!」


すぐ近くで聞こえた言葉…

彼女は、いつの間にか彼の横にいて…



悪戯に笑うと、彼の剣の柄を掴み、みぞおちに拳を入れた…


内臓が、潰れそうな程の痛み…

彼はその拳に後ろに押しやられながら、ぐっと耐えた…


落としそうになった剣を握り、顔を上げると…


そこには、いつの間にか槍を手にしていたマーガレッドの姿があった…


 「!?」

その姿を確認するなり、すぐさま姿が消えた…

消えたかと思えば、背後から気配が…

素早く振り返るが…

もうそこにはいない…


どこに…

額に汗を浮かべ、速まる心臓を抑えながら、彼はマーガレッドの気配を調べる…


 「いっ…」

だが、その前に感じた胸の痛み…

痛みを感じた、右胸の辺りへと目と手やると…

そけには…

鋭い槍の刃が覗いていた…


 「っ…ハァ…ハァ……」

赤く、血に染まった鋭い刃…

その刃は、勢い良く引き抜かれ…

傷口から、大量の赤い雫が流れ落ちる…


服を真っ赤に染め、雫となり落ちた血は、地面に丸い模様を形作ってゆく…


 「クッ…」

傷口を押さえ、苦痛に顔を歪めながら振り返ると、そけには、
血に染まった槍を口元へと持っていき、赤い舌を出して、その血を舐めるマーガレッドの姿があった…


その姿は、彼女の悪戯に笑う笑顔と解け合っていて…

小さな悪魔のようだった…

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