BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

 「クッ……ハァ…ハァ……」


血を流しながら、彼女から距離を取るシュウ。



彼の左腕からは、大量の血が流れ、肘から指の先まで、真っ赤に染めていた…

指先に集まった血は、耐える事ができず、一粒一粒、流れ落ちる…



彼は、マーガレッドの攻撃を交わしきれないと判断すると、とっさに何も持っていない左腕を胸の前に出し、黒い針の先をその腕に突き刺した…



フラフラと彼女から距離を取り、息を荒げる彼に、彼女は攻撃を仕掛ける事が可能だった…

逃した心臓を、再び貫くチャンスはあった…



だが、彼女は面白くなさそうに口を窄めると、手にしていた黒い針を投げ捨て、彼に背を向けた…



 「面白くない…」

 「…?…」


マーガレッドは指を振り、土で小さな椅子を作ると、そこに腰掛け、肘を股に当て手に顎を乗せながら、笑顔もなしに続ける…



 「DRAGON無しの君じゃぁ、ただの人間と同じじゃん。このままじゃ、君もあの少女みたいに死んじゃうよ?」


いじけた子供のようにそう言う彼女。

彼女の見つめる先には、涙を流し苦しむルリの姿が…


その姿を見たシュウは、キッとマーガレッドを睨む…


 「ルリは死んでない!死なない!お前達の思い通りなんかに……」

 「君もかなり傷負ってんだよ?その事わかってる?」

 「…」


肩で息をする彼の周りは、赤く染まっている…

止まる事のない血が、流れ出ているのだ…


 《我を出せ…》

 「!?」


突然、彼の耳に聞こえた声…

心にそのまま囁きかけるような声…

彼にしか聞こえないその声の主は、彼の体の中で眠る、漆黒のDRAGONの声だった…


 《我を出せ…》

 「だが…」

マーガレッドに聞こえない程の小さな声で、彼は内のDRAGONに囁く…

すると、DRAGONは全てを悟るかのように彼に話かける…

 《敵は、我を欲しておらん。》

 「DRAGONを捕まえにきていないと?」

 《そうだ。敵は、そなたと遊んでおるだけ。だが、このままでは、そなたは死ぬぞ。》

 「…」


それはわかっている…

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