BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

吹き荒れる風…

舞う草花…

灰色の雲の隙間から、太陽が顔を出していた…


その微かな光の下、紺色と、藍色の髪の少年少女が刃を交じり合っている…


互いに傷を負い、互いに血を流し…



漆黒の剣を振り、マーガレッドに斬りつけるシュウ…

その剣を、ギザギザなサーベルで受け止め、彼を後ろに押す…

彼女は、微かにバランスを崩したシュウに斬りかかろうとするが…



 《グァァァアァァーー!》

 「チッ…」


一歩前に踏み出そうとしたが、すぐさま何かに気づき、地を蹴ると、後ろに後退する…


先程まで彼女がいた地面には、爪を立て、地を踏みつける漆黒のDRAGONの姿があった…


地が揺れ、ひびが生え、巨大な窪みができていた…




敵を仕留めかねたDRAGONは、シュウを護るかのごとく、宙に舞うと、鋭い瞳を向けていた…

同じく、剣を構え、肩で息をしながらマーガレッドを睨むシュウ…




 「ハハッ…」


そんな2つの瞳を見て、彼女は微笑む…

自らが押されているというのに…

自分より、シュウの力が上だというのに…



こんな状況で、楽しそうにサーベルをクルリと回し、笑う彼女…

遊んでいるとしか思えない…




風が吹き、一枚の葉が二人の間を舞い、視界を遮る…



その葉が地面へと降りたった頃、剣を構えるシュウの瞳が、密かに見開かれていた…


 「ん?」


それを見逃さなかったマーガレッドは、彼の視線の先へと目だけを動かす…





彼の見開かれていた瞳に映っていたのは…


地に膝まずき、細身の真っ白な剣を自らの喉元へと突きつける少女と、その目の前で、体を血に染めながら、笑う女の子の姿…




 「ルリ…」


奥歯を噛みしめ、彼女の名を漏らす…




このままでは、彼女は…

彼女は…

自ら、命を、落とす…




一枚の枯れた葉が、枝から手を放し、ハラハラと舞っていた…


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