BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

珍しくおとなしくなったライナスを見て、カナメはシュウに目を戻すと、彼の背中にいるルリを見た。

彼女の状況を見て、微かに目を細める。


そして、


 「ナツキ、2人を頼んでいい?」

 「あぁ。OKだ。」

 「ありがと。マリン、ライナス、ついてきて。」

カナメは2人を連れてどこかに行ってしまった。



取り残されたシュウとルリは、ナツキの後を追う。

彼の後を追うと、いつの間にか廊下を歩いていた。

研究所の中へ入ったようだ。



シュウが、ルリを背負い直すと、ナツキは口を開く。


 「治療室は今準備中だ。ルリの部屋に行くか。」

 「準備中?」


その言葉に疑問を持ち、訊いてみる。

すると、彼は親しみやすい口調で話してくれた。


 「薬が完成したんだ。魂を分離する薬がな。」

 「魂を分離………それって、ルリの命が危険なんじゃ!?」



ルリの中に封印されている、漆黒のDRAGONの魂…

その魂を切り離すと、彼女の命は、危険な状況に陥る…

そう、彼女は、死ぬ…



ナツキは、焦ったようにそう言うシュウの肩に手を添え、少し屈むと、彼の紺色の瞳を見つめた。


 「大丈夫だ。ルリの命も助かる。発明したんだよ、どちらの命も助かる薬をな。」

シュウを落ち着かせるよう、安心させるように言うと、優しく微笑んだ。

その笑顔に、心を落ち着かせるシュウ。



助かる…

その言葉に、ホッとしていた。



 「さっ、中に入れ。ルリの部屋だ。すまないが、俺は行かなくちゃならない。後で誰かよこすから、いいか?」

 「大丈夫です。」


心配してくれるナツキに感謝し、微笑むと、頭を下げて礼を言う。

すると、そんな彼を見たナツキは、片手を軽く上げ、どこかへ向かって走って行ったのだった。



そんな彼の姿が見えなくなるのを確認すると、シュウは部屋の中へと入って行った。





きちんと整理された、清潔感溢れる部屋…

無駄な物はどこにもなく、色は白で統一されていた。


あまりジロジロとは見まいとしながら、シュウはルリをベッドの上に下ろした。

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