BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
「闇の者は、彼女が妹を殺したという、偽りの過去を彼女に埋め込んだ……」
過去を、すり替えた…
何故…
彼女を苦しめる為…
何故そんな事を…
何故彼女を苦しめる…
どうして、彼女が苦しまなければならない…
どうして…
「彼女の記憶の中には、自らが、彼女の妹の胸に刃物を突き刺しているビジョンがある。
血に染まってゆく、妹の体も、返り血を浴びた、ルリの姿も、鮮明に、リアルに現されてる……」
彼女が刃物を突き刺す、その映像が、頭に浮かんできそうだった…
妹の血に染まり、震える小さな掌…
髪や頬についた返り血…
大きく見開かれた、茶色の瞳…
残酷だった…
彼女の記憶は…
偽りの記憶は、残酷だった…
彼女を闇に突き落とす、酷いものだった…
闇に埋もれた彼女を、助けたかった…
手を差し伸べてやりたかった…
光に、導いてやりたかった…
グッと拳を握り、自分の無力さを知った…
今の自分では、彼女を救う事はできないと…
彼女の心の傷を、癒す事はできないと…
安らかに眠る彼女の寝顔は、とても幸せそうで、苦しみなど感じなかった…
でも、今でも、眠っている今でも、彼女は闇の中にいる…
心の傷は、消える事はない…
「ここにいる皆は、色んな過去を抱えてる……傷や苦しみ、悲しみを……ライナスだって…マリンだって……」
遠い目をし、何かを思い出している様子の彼女…
彼女も又、辛い思いをした1人なのだ…
「彼女の心の傷…彼女の苦しみ…貴方なら、わかってくれると思う。
だから、彼女を責めないであげて。彼女を闇から救ってあげて。」
「俺は、彼女の苦しみをわかってるつもりです。同じ痛みを受けた者として…」
存在をなくした者として…
死のうとしていた者として…
「……貴方も、辛い思いをしたのね……」
「……」
カナメの言葉に、無言で首を振るシュウ。
だが、彼の瞳は何かを思い出したかのように、悲しみを含んでいた…
それを察したのか、カナメはシュウの瞳を見つめた。