BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

 「ごめんなさいね……辛い過去、思い出させたみたいで……」


 「いえ……あの、カナメさん?」

 「?」

 「体調でも悪いんですか?顔色が……」



話しを反らすかのように訊くシュウ。


だが、彼の瞳からは悲しみは消え、心配するような瞳を彼女に向けていた。




確かに、カナメはどこか悪いのか、顔色がよくない。

先程から欠伸をよくしているし、頭痛でもするのか、頭を押さえる仕草をみる…



心配そうにしるシュウを見て、カナメは安心して。と言うように微笑む。

ライナスによく似た、八重歯の覗く笑顔で…



 「大丈夫よ。何日も徹夜だったらかね……

でも、そのおかげでやっと完成した。研究に研究を重ね、やっと、この薬がね。」


ビンに入った液体を親指と人差し指で持ち、ウインクする。


その笑顔からは、疲れは感じられなかった…



 「これで、ルリも、貴方の中のDRAGONの魂も、無事に助かる。」




2人共助かる…


何だか心がホッとした…

先程まで死のうとしていた彼女…

彼女の命が、救われる…




その時は、そう思っていた…

でも、そう簡単に運命は変えられない…


彼女の心の闇は、生きる事では、消す事ができない…





未だに眠り続けるルリを見つめていると…



 「あっ…忘れてた…」

 「?」


何かを思い出したかのように、カナメがそう囁いた…

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