BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
彼女の言葉に彼は期待を含んだ瞳を向けた。
「じゃあ……」
「しかし…」
頼むと口を開こうとしたが、その言葉は遮られてしまう。
彼女が人差し指を彼の唇に添え、言葉を止めたのだ。
言葉を止めた彼へと顔を近づけ、しっかりと水色の瞳で彼を見つめる。
「消えた命の光を蘇らせる事は意に反します。神ではありませんので。」
「わかってる…」
ご了承をと頭を下げる彼女の姿を見て、彼は彼女に見えないように拳を握る。
だがその拳は隠しきれていなかったようで、彼女は優しく微笑んだ。
「安心して下さい。命を救えなくとも、その命は天へ導く事ができます。」
「頼むよ。」
彼の唇に添えていた人差し指を、ゆっくり天へと伸ばす。
天へと伸ばした人差し指を見つめ、どこか疲れたような表情をしながら微笑むと、ドカッと床に座り込んだ。
彼の笑顔を合図に、彼女は胸の前に両手を組み歌い出した。
暖かくて、優しくて、どこか懐かしいその歌声。
その歌声はこの研究所全体に響き渡る。
頬に涙の痕を残すレナにも…
怪我の治療を受けるナツキにも…
酷い怪我をした人々にも…
その怪我を治療し続けるカナメにも…
騒がしい研究室の中の皆にも…
そして、眠り続けるルリにも…
皆の体を優しく包み込み、傷を癒し、疲れを取り去る…
消え行く傷に目を見開きながら人々は驚き、回復する体力に不思議そうな顔をする…
治らないと言われた傷が完治し、喜び、涙を流し、感謝した…
心地よい歌声に耳を傾け、優しい声音に癒される…
ライナスも皆と同じく、近くで歌う女性の声に耳を澄ましていた…
だがその顔から疲れの表情は消えてはいない…
先程より更に疲れた色をしているのは気のせいか…
目を瞑り歌声に浸っていたライナスはその瞳を開くと、天へと登る魂を見上げるように顔を上げた…
色鮮やかに美しく輝く魂が、幸せそうに登って行く姿が見えたような気がした…
「じゃあ……」
「しかし…」
頼むと口を開こうとしたが、その言葉は遮られてしまう。
彼女が人差し指を彼の唇に添え、言葉を止めたのだ。
言葉を止めた彼へと顔を近づけ、しっかりと水色の瞳で彼を見つめる。
「消えた命の光を蘇らせる事は意に反します。神ではありませんので。」
「わかってる…」
ご了承をと頭を下げる彼女の姿を見て、彼は彼女に見えないように拳を握る。
だがその拳は隠しきれていなかったようで、彼女は優しく微笑んだ。
「安心して下さい。命を救えなくとも、その命は天へ導く事ができます。」
「頼むよ。」
彼の唇に添えていた人差し指を、ゆっくり天へと伸ばす。
天へと伸ばした人差し指を見つめ、どこか疲れたような表情をしながら微笑むと、ドカッと床に座り込んだ。
彼の笑顔を合図に、彼女は胸の前に両手を組み歌い出した。
暖かくて、優しくて、どこか懐かしいその歌声。
その歌声はこの研究所全体に響き渡る。
頬に涙の痕を残すレナにも…
怪我の治療を受けるナツキにも…
酷い怪我をした人々にも…
その怪我を治療し続けるカナメにも…
騒がしい研究室の中の皆にも…
そして、眠り続けるルリにも…
皆の体を優しく包み込み、傷を癒し、疲れを取り去る…
消え行く傷に目を見開きながら人々は驚き、回復する体力に不思議そうな顔をする…
治らないと言われた傷が完治し、喜び、涙を流し、感謝した…
心地よい歌声に耳を傾け、優しい声音に癒される…
ライナスも皆と同じく、近くで歌う女性の声に耳を澄ましていた…
だがその顔から疲れの表情は消えてはいない…
先程より更に疲れた色をしているのは気のせいか…
目を瞑り歌声に浸っていたライナスはその瞳を開くと、天へと登る魂を見上げるように顔を上げた…
色鮮やかに美しく輝く魂が、幸せそうに登って行く姿が見えたような気がした…