BLACKNESS DRAGON ~希望という名の光~

ペンダントを胸の前で握り締め何かを呟くリョク。


彼女の声に反応するように、握っていたペンダントの鎖が腕に巻きついていく…


その鎖は汚れのない綺麗な緑色へと変色し、まるで蔓が巻きつくかのような模様が肩まで刻まれた…





 「《闇に落ちし悪しき魂……我が幸福へと導こう………

 幸福のDRAGONよ、闇を捕らえ給え!》」

掌を地につけ目を瞑ると、ペンダントを押し付ける…



すると、腕に刻まれた緑の模様が輝き、輝いたかと思えばその模様は腕から消えた…



そしてサラの足下の地が揺れ、ひびが入ると太い蔓が姿を現す…





 「なっ……」


足場が悪くなりバランスを崩しながらも、何とかその場から逃げようとする。


だが、伸びてきた蔓はその足を捕らえ、体に巻きついてゆく…





 「…くっ……」


きつく締め上げられ、サラは顔を歪めながら苦痛に耐える。






掌を地につけ目を瞑っていたリョクは、サラを捕らえた事を確信したのか目を開く。



 「ダイ!ハルク!」


 「イェッサッ!」


2人の名を呼ぶと、声を合図に攻撃を始めた。




ダイはどこからか取り出したダイナマイトを両手に持ち、身動きのとれなくなったサラに投げつけた。


何本ものダイナマイトが一斉に爆発し、物凄い爆音をたてながら煙がサラを包み込む…




モクモクと立ち上る煙の中、噎せたように咳をするサラの陰が目に入る。


その陰を確認すると、ハルクは地を蹴り走り出した。




握った拳の中指にはめられた指輪からは、針のような鋭い刃が伸びていた。



それを剣のように振り上げ、陰に向かって斬りつけるが…


その刃は煙を斬っただけで、何の重みも感じない…






 「消えた……」


煙の切れ間から覗く地にはサラの姿はなく、巻きついていた蔓が枯れたように地に横たわっていた…


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