BLACKNESS DRAGON
~希望という名の光~
「任務を成し遂げた今、貴方達と遊んでる暇なんてないんですよ。」
服についた泥を払いながらそう言うと、2人を見下ろすサラ。
「この野郎!そんな所にいないで降りてこい!」
余裕そうな表情のサラに苛立ちを感じたダイは、怒ったように目をつり上げて叫ぶと両手にダイナマイトを握る…
「話のわからない人ですねぇ……」
呆れたように肩を潜め溜め息を吐くサラ…
その姿を見て、ダイは更に怒りを露わにするように歯を剥き出した…
「そんなに戦いたいのなら…………仲間同士、共に殺し合って下さい。」
サラは顔から表情を消しダイを睨むと、右手を挙げパチンと指を鳴らし、一瞬にしてその場から姿を消した。
何故か山彦のように響いたその音に不思議そうに眉を潜めていると…
「……っ………」
マリンの隣に立っていたダイが頭を押さえ地に膝を付いたのだった…
「どうしたあるか?」
苦しそうに顔を歪めるダイを心配そうに見つめると彼の前にしゃがみ込む。
何が起こったのだろうと考えていると…
「………逃げろ……………」
「えっ?」
ダイは辛そうにそう言うと、目の前にしゃがみ込んだマリンの肩を押す。
訳がわからないマリンはバランスを崩し後ろに倒れると…
その瞬間、彼女の目の前を針のような鋭い刃が通り過ぎた…
もし、ダイに肩を押されていなかったら…
そう考えると、マリンはゴクリと生唾を呑む…
目の前の刃を見開いた瞳に映したまま立ち上がると、刃を辿り襲って来た主を見上げた。
そこにいたのは、指輪から伸びた刃を振り下ろす黒髪の男性…
敵を確認し素早く立ち上がると戦闘態勢をとる。
だが、彼女は握った拳を緩め顔をしかめた。
何故ならば、こちらに刃を向けている人物は紛れもなく闇に落ちていない人間だからだ。
訳が分からないと男性、ハルクを見つめていると、彼の横で頭を押されていたダイが顔を伏せたまま立ち上がった。